第4回の「絵本訪ねある記」は、東京都杉並区の家庭文庫「子どもの本の家ちゅうりっぷ」の神保和子さんにお話をお聞きしました。神保さんには、絵本図書館ネットワークが今年度はじめて企画する「第1回文庫で絵本ミーティング」(9月16日開催)にパネリストとしてご登壇いただきます。
大学時代は絵本論のゼミに所属されていた神保さんは、1989年より家庭文庫活動を各地で始められています。最初はなんと香港。「プレイルームどんぐり」と名前で、今でいうママ友を対象にして絵本の読み聞かせやお茶会をされていました。92年に日本に戻り「ポプラ文庫」、99年からは再び海外でシンガポール、日本に戻って2016年からは現在の自宅に家庭文庫「子どもの本の家ちゅうりっぷ」を開設されました。
外観は普通のお宅なのですが、玄関を入るとまず廊下にある書架が目に入ります。たくさんの児童書が並べてあります。玄関を上がって右手の部屋が絵本を中心に子どもたちが自由に本を選んで読める場所となっています。廊下にある児童書もこの部屋で読むようになっているようです。二階に上がると読み物を中心に高学年の子ども向きの本が多くありました。以前は地元の小学生が多く通って来てくれていたが、コロナ禍で1年間閉所していた影響で今は離れてしまっていることがとても残念ということです。現在は子育て中のパパ・ママや高齢者の方が通ってくださっているということです。高齢者の方が増えたのは、杉並区報に区内の文庫が紹介され、高齢者の居場所としての文庫の役割が紹介されたのがきっかけだそうです。家庭文庫は、子どもから高齢者まで幅広い世代のニーズに応えているのですね。
神保さんは、現在家庭文庫を開設する傍ら、図書館や幼稚園、子育て施設等に招かれて絵本講座やわらべうた講座を担当されたり、東洋大学で司書課程・児童サービス論の非常勤講師をされたり、ご多忙な日々をお過ごしのようです。家庭文庫を始める以前は、幼稚園の副園長や保育専門学校の専任講師、図書館司書のご経験が、現在の幅広いご活躍につながっているのだと思いました。
神保さんには、私ども絵本図書館ネットワークが今年度初めて企画する第1回文庫で絵本ミーティング(9月16日)にパネリストとしてご登壇いただけます。豊富なご経験をもとに、楽しくて有意義な話を聞けるものと期待をしております。文庫は、下井草駅から徒歩7~8分の所にありますので、近くにお越しの際はぜひ遊びに行ってください。
家庭文庫「子どもの本の家ちゅうりっぷ」
住所 東京都杉並区下井草2-23-12
TEL 03-3397-3989
開催日 月2回土曜日 月1回水曜日午後(不定期開催)
開催時間 土曜日10時~16時 水曜日14時~17時
開催日はHPにて更新 https://tulip2.webnode.jp/