NO.3 札幌市中央区俊カフェ

第3回の「絵本訪ねある記」は、札幌市の絵本専門士、森景子さんから紹介していただいた、札幌市中央区の「俊カフェ」の古川奈央さんにお話を聞きました。

「俊」という文字から連想する方は、そう谷川俊太郎さんですね。この店は、文字通り谷川俊太郎さんに関係する本やグッズを店いっぱいに展示してある、ご本人公認の記念館的なカフェです。

この店の店主である古川奈央さんに、まずこの店を開いた経緯についてお聞きしました。子どもの頃からご家族の影響で詩に親しんでいた古川さんは、高校時代に俊太郎さんが作詞された校歌に出会います。雑誌編集者時代には、俊太郎さんのご子息、谷川賢作さんがバンドマスターをされている、現代詩を歌うグループとも知り合い、俊太郎さんへの憧れが強くなっていきました。そんな折、母校の50周年記念式典に俊太郎さんが来賓で来られ、その時に知り合われたそうです。それからは俊太郎さんとの親交を深め、2015年には本・音楽・グッズを一堂に集めた「とても個人的な谷川俊太郎展」を札幌で開催します。これが好評だったので、常設の場所をもちたいという思いが強くなり、一念発起して2017年5月3日に札幌の中心地に「俊カフェ」をオープンさせました。

店内には、俊太郎さんの絵本や詩集を始めとする様々な本、関連グッズはもちろん、俊太郎さんの等身大パネルやこの店のために俊太郎さんが書き下ろした「俊カフェ案内」という詩も展示してあります。ぜひご覧になってください。

店内では、お飲み物とともに詩集や絵本、雑誌をゆっくり読むことができます。また、俊太郎さんに関する音楽のCDも聴くことができますし、書籍はもちろん詩が書かれたTシャツや名刺サイズの詩集など各種グッズが販売してあります。札幌は遠いのでと思われる方には、通販サイト(https://shuntcafe.thebase.in/)もあります。各種イベントも開催されており、ホームページ(https://www.facebook.com/shun.T.cafe/)から詳細を確認することができます。

「様々なご縁が重なって。何かに導かれてこの店を開いたように思える。」と言い切る古川さん。店を開くということでやはり経営が苦しいこともあるようですが、「やらせていただいている。」という気持ちで、閉店することは一度も考えたことはないとのことです。   (俊太郎さんの等身大パネルと奈央さん)

 

古川奈央さんの強い気持ちが伺えるインタビューでした。

俊カフェは、谷川俊太郎さんの世界に囲まれて、ホッとできる空間です。札幌にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

 

俊カフェ(五感で感じる谷川俊太郎さんの世界)

住所       札幌市中央区南3条西7丁目4-1 KAKU IMAGINATION 2F

TEL       011-211-0204

定休日    火曜日(祝日の場合営業)             

営業時間              11:00~18:00